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おんなのしろいあし」 みんなの声

おんなのしろいあし 作:岩井 志麻子
絵:寺門 孝之
編:東 雅夫
出版社:岩崎書店 岩崎書店の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2014年08月
ISBN:9784265079575
評価スコア 4.14
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  • 道から外れる少年の末路は?

    いつもみんなと一緒に遊んでいただけの、普通の少年が、ちょっとしたことをきっかけにして、異界へ迷い込んでいく話。
    この絵本は、ある男の人生の、最初の「つまづき」を描いているような気がして(全くの個人的妄想です)、続きが気になってしまう。少年は、仲間の前で格好つけたかっただけだったのに、その事がきっかけとなり、学校の倉庫にいた魔物を連れてきてしまう。そんなことは思いもよらななかっただろうが、人生はそんな風に、ちょっとしたことで思わぬ方向へ転落していく事もある…と深読みして、怖くなった。
    文章自体は、どのようにでも受け取れる書き方をしているので、音だけで聴いたらあまり怖くない気がする。しかし、絵が強烈で、絵でトラウマになりそうな勢いだ。水彩画の溶けそうな淡い色合いで、幽霊や魔物、人間の恐怖などのおぞましい感情を遺憾なく表してある。お化けは、こういう世界に、水気の多い世界にいるのだろうと、納得できる作風が秀逸だ。
    生々しい、生活感あふれる現代怪談だ。

    投稿日:2018/10/01

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  • 幽霊は女性詞?

     フランス語には男性詞女性詞があると聞いたことがあります。だとしたら、幽霊はさしずめ女性詞でしょうね。ちがうかしら。
     幽霊って青白く細面の美人が似合う。髪なんか長く垂らして、細い手首から手のひらをそっと差し出して、「うらましや〜」でないといけない。
     これが男性だと、大きな体で筋肉隆々太い声で「うらめしいぞ」なんて言われても、それはそれで怖いけれど、怖さの質が違う。
     怪談噺では断然女性だ。

     そもそも幽霊にが足がないというのがお決まりであるが、岩井志麻子さんが書いた「怪談えほん」は、女の白い足が怖さの源なので、そう言われてみれば、少年と呼ばれる年頃の男の子にとっては「女の白い足」はどきどきの対象であるに違いない。
     つまり、岩井志麻子さんが書いた「怪談」話は、官能に満ちたお話になっている。
     そういう話を絵本にしてもいいのかと思ってしまうが、岩井志麻子さんの作品群を見ていくと、彼女にそういう「怪談」を書かそうという意図が編集の東雅夫さんにはあったのかもしれない。

     そして、岩井志麻子さんが描いた官能を見事に絵にしたのが寺門孝之さん。
     ラスト近く、ベッドで眠る少年の身体に「女の白い足」がチョコチョコといたずらしている図なんて、官能×官能みたいになっている。
     でも、そんな風に読んでしまうのは、少年をとっくに過ぎてしまったからで、本当の少年ならただ怖い絵本と思うだけのような気もするが、どうだろうか。

    投稿日:2017/07/30

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  • 描き方がドラマチックで引き込まれます。

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子21歳、女の子17歳

    「怪談絵本(東雅夫:編集)」シリーズの1冊です。
    寺門孝之さんの絵の作りが非常にドラマチックで、どんどん引き込まれていきました。この描き方はまさに怪談」にふさわしいです。
    しろい足がものすごくインパクトあります。

    ただ、本文中暗がりのシーンが多く、文字が白抜きばかりですので、読み聞かせに使うには少々読みづらそうです。
    あまり広い場所で大勢のお子さんたちに読むには、遠目が利きそうにもありませんが、20人未満くらいの少人数の場所でなら読み聞かせも出来そうです。

    投稿日:2017/04/18

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  • オバケに怒ってやった

    • レイラさん
    • 50代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子22歳、男の子20歳

    怪談えほん7。
    もう題名からホラーが立ち上ってきます。
    オバケも怖くない、と豪語する、小学生男子が主人公。
    もちろん、一人で暗い倉庫に入って、ぼーっと立つ女の白い足に対峙しても、
    つまらない、と怒ってやるくらいなんですからね。
    でもね、それがいけなかったのか、
    帰り道、異界へ迷い込み、再会してしまうのですね。
    今度は音声付きだからでしょうか、二度目というのに、恐怖が増幅しています。
    そして、身体にまとわりつくようなラストが、不気味です。

    投稿日:2016/02/10

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  • 妖しい怖さ

    おんなのあしのおばけって、なんだか妖しい雰囲気の怪談絵本になっています。
    寺門さんの絵がこれまた不気味。
    怖いもの見たさには良いかもしれないけれど、女の白いはだしの足がぺたぺたと追いかけて来たら、トラウマになりそうです。
    顔が見えないところがさらに怖さを増しています。
    この足は何かの象徴でしょうか。
    岩井志麻子さんならではの、どろどろ怪談だと思いました。

    投稿日:2014/11/09

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  • この絵本の中で何が一番怖いって、

    • 梅木水晶さん
    • 30代
    • ママ
    • 山形県
    • 女の子2歳、男の子0歳、

    こわいこわい言いながら逃げる男の子の顔ですよ。幽霊って本来足のないものですよね。この女は幽霊だったのでしょうか?最後までわからずじまい。この本を通して得た教訓は、幽霊(?)を挑発するな、って事でしょうか。

    投稿日:2014/11/06

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