ジャネット・ウィンターは、「ワンガリの平和の木」「ニューヨークのタカ ベールメール」と言った実話に基づく作品で知られています。
この作品は、イラク戦争のバスラでの実話。
イラク戦争は、2003年3月20日よりアメリカ合衆国、イギリス、オーストラリアに、工兵部隊を派遣したポーランドなどが加わる連合が、イラク武装解除問題の進展義務違反を理由にイラクに侵攻したことで始まった戦争です。
正規軍同士の戦闘は2003年中に終了したものの、国内の治安の悪化が問題となり戦闘は続行し、2010年8月31日にオバマ米大統領によって正式にイラク戦争の終結が宣言されたのは、記憶に新しい所です。
イラクへの侵攻が、バスラに迫ったときに、図書館の蔵書を守ろうとした図書館員のアリアさんの物語です。
アリアさんは、戦争の火が、本を滅ぼしてしまうことを恐れ、図書館の本を安全なところに移すように当局に求めます。
答えは否。
そこで、アリアさんは、自ら行動を起こし、無事図書館の本は焼失を免れることができたのです。
その行為は、驚愕もの。
何せ30000万冊の蔵書を避難させたのですから、推して知るべし。
本を愛するという気持ちに、心打たれることだと思います。
読み聞かせをするというより、小学校低学年のお子さんが、自ら考えて読む類の絵本だと思います。