小2の娘の国語の教科書に載っていて、毎日 宿題の音読を聞くうちに絵本で読みたくなり、借りてみました。
ねずみのアレクサンダは、いつも人間に疎まれ追い回されます。うんざりしている彼の前に現れたぜんまいねずみのウイリー。
ウイリーは子どもに可愛がられ、いつも大事にされています。ぜんまいを巻いてもらわないとどこにも行けないウイリーですが、そんな彼の事をアレクサンダはうらやましく思います。
そして不思議なとかげにぜんまいねずみにしてもらうためにむらさき色の小石を探すのですが、とうとう願いが叶う時、アレクサンダは思いも寄らない言葉を口にします。
それは、親友のウイリーを自らと同じ生身のねずみにする事でした。
あんなにぜんまいねずみになる事に憧れていたのに、自分らしくある事の意味を知ったのです。
美しい挿絵も、文章も淡々としていますが、静かな感動、切なさが込められていて、じんとします。
手元において、ちょっと辛い時に読みたいような本です。