四季に恵まれ、古くから俳句や短歌を詠んできた日本では、自然にまつわる言葉が豊富な印象を受けます。
それと同じように、それぞれの国のお国柄を感じさせるようなことばが、この本では楽しいイラストと共に沢山紹介されています。
マレー語のピサンザプラは「バナナを食べるときの所要時間」フィンランド語のポロンクセマは「トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離」等、一体いつ、どうやって使う言葉なんだろうと笑ってしまうものや、「水面にうつった道のように見える月明かり」なんてロマンティックな言葉も。
地球の反対側で、愛する人の髪にそっと指を通す恋人同士を想像したり、妻に恐々と「龍のエサ」を贈るドイツ人の夫の姿をイメージしてクスクス笑ったり、バスルームでそっと体重計に乗り「悲しいベーコンだわ」と呟く女性を想像して共感を覚えたりしながら、ページをめくりました。
読み終えた後には、普段何気なく使っていることばを大切にしたいと思える一冊です。