「ぞうさん、どこにいるの？」 みんなの声

一瞬、「探し物ゲームの絵本かな？」と思いましたが、そうではありませんでした。
「森を切り開いて町をつくっていくって、動物に着目をしてみるとこういうことなんだ」ということが婉曲的に、でも、しっかりと伝わってくるお話でした。いろいろと考えさせられました。

子どもたちは、どっちが先に
象やオウム、蛇を見つけられるか
競争しながら、
兄が先に見つけるので弟が言えず、
ケンカしていました。

鮮やかな木々の中
意外に探すのが難しいようで
夢中になって探していました。

でも、このお話は楽しむだけでなく、
そこから子どもたちでも
象の居場所がなくなっていると
自然にわかるように
工夫されていて、
文字がない文なのに
訴えてくるメッセージは強く響いてきました。

ぞうさん、どこにいるの？　おうむさん、どこにいるの？　へびさん、どこにいるの？と、動物さがしの絵本かと思って読んでいたら、違いました。失われていく森の危機を訴えた絵本でした。私の家の周りでも山が削られて住宅が建っています。子狸を見かけたことがあるので、どこで生活しているか気になりました。上手く隠れきって生活できるといいなあと思いました。

作者が述べているように、「ウォーリーをさがせ」のような絵本ですが、ぞうもオウムもヘビも、森の木がどんどん減っていくので、居場所がなくなって行くのが可愛そうです。
自分の家の周りを見回しても、だんだん緑が減って、次第に色んな動物たちが減って行くのがわかります。
たまに隠れきれなくなったタヌキやハクビシンと出くわす町。
絵本では、ぞうさんたちは船で別の島に逃げ出すけれど、そこも決して安心できそうになさそうですね。