300年前から伝わるというブラックベリーフールをめぐる4世代のお話です。
300年前は、こんな泡だて器で、こんな冷蔵庫だったんだね。
小2の息子はといえば、
泡だて器と冷蔵庫の移り変わりに一番興味をそそられたようです。
私はといえば、
奴隷の母娘が農場主のために作るシーンが一番心に残りました。
二人は、後片付けの際、物置に隠れてこっそりボールに残ったブラックベリーフールをなめます。
ボールについたクリームをなめるのですら、物置に隠れて行っていたなんて。
なんとも切ないページです。
でも、押しつけがましさは一切なく、
ブラックベリー・フールを作る人として、自然に描かれています。
ずっと母と娘で作ってきたブラックベリーフールですが、
現代は男の子とお父さんが作ります。
お父さんは、ネットでレシピを調べます。
最後は、人種も年齢も性別も超えて、みんなで楽しくいただきます。
お菓子の歴史から、道具の歴史、人々の歴史など、暮らしの変遷が見えてくる、素敵な絵本でした。