日曜学校に通い、クリスマスの出来事をすでに知っている子どもたちには理解しやすい内容だと思います。ただ、マタイ福音書とルカ福音書の、普通だったら2〜3回以上に分けて学ぶクリスマスのお話が1冊になっているところに無理はあるかも。この理由から、聖書に精通している子どもにとっては全部通して読めるのでよい復習(笑)のような感じです。
ブルーナの平面的でシンプルなイラストは、ルネサンス期絵画のような神々しい(?)作品を見ながらクリスマスの意味を知った子どもにとっては、不思議な感じに映るかもしれないなー。自分の子どもの頃の経験から、たいていは込み入った「絵」に語らせ(=子どもに想像をさせ)、言葉は(聖句だけとか)少なくして子どもに話しかける…といったやり方に慣れてしまっていたので。本作品は確かに(イラストに対する)文字での語りの部分が多い。絵が省略されている分、言葉で補っている感があるので、興味のない人は飽きてしまうことが十分考えられます。
でも、イラストにはいろんなスタイルがあるべきだし、子どもにはそのような多様性に触れて欲しいので、この作品は一気にわたしのお気に入りになりました。ずらりと並ぶクリスマス絵本の中で、横長のこの絵本はひときわ目を引きます。