夏のお盆の季節に、あの世のことを想う時にいいかもしれません。
いつもの男の子が、あろうことか、地獄を体験してみるストーリー。
具体的な悪い行いを例に、本格的な地獄が次々と登場します。
ユーモアがあるので、ややマイルドですが、元々が凄惨なので、
読者の性格を考えてからの方がよいかもしれません。
中でもラストの阿鼻地獄では、実に深いメッセージを感じます。
この切実な叫びに、今回のテーマが凝縮しているように感じました。
「いちにち」だけの体験だから、安心して読める、とも言えます。
おチャラけていますが、地獄と極楽の描写はかなり本格的。
古来人々が、悪い行いを律するために練ってきた世界を知っておくことも
いいと思います。