野菜嫌いな子はいるもので、いったいどんなきっかけがあったのでしょうか。
野菜は身体にいいことはわかっているけれど、口にもできないのは可哀想で、できれば子どもが小さいうちに矯してあげたいもの。
自分で育てた野菜ならどうかしら。これは多くの親が考えつく答えかもしれません。
実際菜園で野菜を育ててみると、小さな子どもたちがたくさんいます。ぼくんちのキュウリだよ、わたしんちのナスは大きいわ、と随分楽しそうです。
こういうきっかけで野菜嫌いがなおるなら、菜園もいいものです。
この絵本の主人公、あっちゃんも野菜嫌いな女の子。
一緒に暮らしているおばあちゃんが菜園をやっていて、無理矢理連れていかれます。
おばあちゃんはまずは土を耕します。土の中には色々な虫がいますから、あっちゃんは気になってしかたがありません。子どもというのは、動いているものは好きです。
だから、つい、「あっちゃんにも やらせて」となります。
次はキュウリの苗植え。おばあちゃんの作業を見ていると、やっぱりしたくなります。
水やりだって、やっぱりしたくなって、まんまとおばあちゃんの策略にはまってしまうのです、あっちゃんは。
とうとう雨が降った日には畑が気になって、ひとりで出かける始末。
菜園を始めて頃はこの時のあっちゃんの気持ちでした。雨が降ったらどうなるのだろう、風は大丈夫だろうか。農家の人のように野菜で生計を立てているのではないのに、うんと気になります。
まして水害や台風で畑が被害にあったニュースなどみると、とっても悲しくなるようになりました。育てる苦労が、少しはわかるようになったからかもしれません。
さて、雨の日一人で畑に出かけてあっちゃんはキュウリに小さい実がついているのを見つけます。
絵本の世界ですから、限られたページで物語を進行しないといけないことはわかりますが、野菜を育てて最初に感動するのは、花をつけた時かもしれません。さっかくだから、あっちゃんが花を見つけてもっと実がつくのを楽しみにする場面を書いて欲しかった。
そこがちょっぴり残念。