マリー・ホール・エッツの「もりのなか」を思い起こさせる絵本です。白黒の幻想的な世界も、たくさんの動物たちが登場する設定も同じですが、ただ1つ、大きく異なるのは、「ぼく」1人でなく、お父さんもいっしょだという点。「もりのなか」では、最後にお父さんが現れ、森の動物たちとのかくれんぼは終わり、「ぼく」も現実の世界へと帰っていきますが、「つきよのさんぽ」のほうは、お父さんもいっしょになって動物たちとの影踏みを楽しんでしまうんです。娘が2歳の頃から大好きな「もりのなか」の絵本。「つきよのさんぽ」も、また親子で好きな本の1冊に加わりそうです。特に「こどもらしくてかわいいな」と感じたのは、かめの親子が月夜の池を泳ぐ絵を見て、「あっ、かめさん、おつきさまをふんじゃったよ!」と、目を丸くして言った娘のあどけない笑顔でした。