昔、共産主義のソ連時代に詩人や作家は殺されたり、強制収容所に送られたりしたそうです。死と紙一重の生活でも彼らは言葉を支えに生き、作品を後世に残そうと死力を尽くしました。文学はそれほど価値のあるものなのです。この絵本でも、フレデリックの詩でねずみたちが飢えを忘れる(理性を維持する)というところに、その価値が表現されていると思います。フレデリックの朗読も、なんとなくロシアの詩人を思わせますね(と思うのは私だけかも)。この絵本は、普通の生産活動に従事する人と、そうでない芸術家の生き方を表現しているようです。芸術家や思想家は、一見、なまけているようで、人類の歴史には大きな役割を果たすもの。フレデリックはねずみたちにとって必要な存在なのだと思います。ただし、我が家の子供たちにはそれほど印象は与えていないようです。幼稚園児には早いかな。