子ども向けの「雪わたり」の本は、
各出版社から、いろんな作家の挿絵で出版されています。
「ぐるんぱのようちえん」「たろうのおでかけシリーズ」でお馴染みの
堀内誠一氏もその一人です。
素朴で愛らしい表情やしぐさがお手のものだけあって、
「雪わたり」の世界をより味わい深く表現してくれています。
『しみ雪しんこ かた雪かんこ・・・・
キックキックトントン キックキックトントン。』
お話の中で繰り返し歌われるこの歌と踊りは、
読み終わった後も、心の中に響きます。
子ども達と狐達の掛け合いがおもしろく描かれているので、
小さな年齢の子どもでも充分に楽しめます。
声に出して読むと、宮沢賢治独特の「言葉のリズム」がひきたちます。
自然の描写もじっくり味わえます。
子どもも大人も満足できる上質のファンタジーで心が温かくなります。