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とんでいった ふうせんは」 みんなの声

とんでいった ふうせんは 作:ジェシー・オリベロス
絵:ダナ・ウルエコッテ
訳:落合 恵子
出版社:絵本塾出版
税込価格:\2,200
発行日:2019年09月24日
ISBN:9784864841528
評価スコア 4.78
評価ランキング 527
みんなの声 総数 40
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  • 素敵な絵本 受賞レビュー

    背景が白なので 思い出 が本当に語られている様に柔らかい印象でスッと入ってきました。もし背景があったなら思い出の風船の印象が薄くなっていたと思うので、背景や思い出の色合いが素敵だなぁと思いました。
    色彩は控えめなのに読んでいると勝手に色を想像してしまい…風船もユラユラ揺れたり飛んで行ったりしているように錯覚してしまいました。
    出産前は高齢者の方々と関わる仕事をしていて、認知症の人もいました。また、認知症とまではいきませんが物忘れもどんどん年を重ねると増えてきている人もいて…ご家族の方との思い出も薄れていって。。あの時こんな絵本があると知っていたらなぁと思いました。私の事を忘れたみたいで。と寂しそうに話すご家族に何と声かけをしていいのかわからなかったので。忘れたくて忘れているわけではなく本当に風船が飛んでいくようにフワッと一つ一つの思い出を忘れていくんだろうなと。自分との思い出を忘れられるって辛いと思うけど、この絵本を通して複雑な思いを自分の中で受け止めるきっかけになるんじゃないかと思いました。
    思い出が風船として見えたらいいなと思いつつ、自分だけの特別な思い出はひっそりと胸にしまっておきたいと思ったり。話すことで子や、いずれ出来るかもしれない孫に受け継がれるかもしれないと思うと考え深いものがありました。
    私だったらどんな思い出を子に残したいか、知っていて欲しいか。考えるきっかけになりました。私は日々子供達に生まれてきてくれてありがとうと伝えていますが、子供達にはどんな思い出になって行くのか…そもそも大人になってても覚えていてくれるのか?色々と想像したくなりました。
    読んで良かった絵本です。

    投稿日:2020/07/07

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    3
  • 人はいろんな経験をして 思いでの風船を たくさん増やしていきます
    こんな美しい表現で きれいに描かれた絵本です

    ぼくは弟よりたくさん持っている
    そして ママとパパは ぼくたちよりたくさんの 風船を持っている

    そしておじいちゃんは 長いこと生きてきたから 風船はもっとたくさん持っている
    おじいちゃんの 思い出話を聞くのが大好きな ぼく
    おじいちゃんとの共通の思い出話を聞くのがなにより嬉しくて・・・・

    でも・・・・そんな おじいちゃんが 近頃 ちょっとへん?

    同じ事ばかりくり返してしゃべり   思いでの風船が 一つづつ飛んでいってしまうのです

    これは 年をとったおじいちゃんが 認知症になっていくお話です

    ぼくは そんなおじいちゃんを 悲しく思うのですが

    「おじいちゃんの飛ばした風船が  ぼくの風船になって増えているんだよ」
    おじいちゃんの 思いでの風船は すべてあなたのものよ
    パパとママはそう教えてくれるのです

    家族が 認知症を どうとらえて 向き合うのかを 優しく教えてくれる 絵本でした

    投稿日:2019/10/27

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    3
  • ポケモントレーナーみゆきです。
    この本は、表紙から伝わる穏やかさと寂しさが妙に印象的で、思わず手に取った1冊です♪

    この物語では、人生を通して経験してきた様々な思い出をわかりやすく「風船」で例えています。
    だから、年齢を積み重ねている方ほど多くの風船を持っています。

    主人公の男の子とおじいちゃんは仲良しで、よくおじいちゃんは昔の思い出話を男の子にするのです。

    でもこの風船、さらに年を重ねるとどうなっていくと思いますか?
    そんな、いつかくるリアルをこの絵本ではしっかりと表現していて胸にグッときました。

    子どもたちももちろんですが、大人が読んでも素敵だと感じる本です??
    是非読んでみてください♪

    投稿日:2020/08/24

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    2
  • おじいちゃんは?

    ぼくが「ぼうや」と言われた時の戸惑いとショックは
    いかばかりのものだったろうと思いを馳せながら
    では、おじいちゃん本人の気持ちはどうだったのだろうと考えます。

    母の風船は、いま、手を離れていくばかりです。
    手にしていたはずの風船のひもが
    知らぬうちになくなっていることに気づき
    娘である私や、孫である息子達より
    当の本人が、その事を嘆いて泣くのです。
    「代わりに覚えておくよ」と言っても不安を和らげることはできず
    無力感でため息が出ます。

    認知症って
    何もかも忘れてわからなくなってしまうんだと思っていましたが
    そうではなくて、わからないことが少しづつ増えてはいくけれど
    変わらずに、わかることはわかっているのです。

    昨日の風船、5分前の風船さえ飛んでいくのに
    5歳の時に母親と死別した悲しみの風船は握り続けたまま
    思い出しては涙をこぼします。

    訳者の落合恵子さんのあとがきには、
    初めて「おかあさん」と呼びかけられたときの衝撃と動揺は…
    の一節がありますが
    私は母の「おかあさん」になれたら
    少しは力になれるだろうかと淡い望みを抱いているのです。

    投稿日:2020/07/25

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    2
  • おじいちゃんたちにいいね。

    小さい子には、悲しいと思います。ただ、わすれちゃうの?というところで、ショックと思います。でも、子供はとても驚く完成を私より沢山もっているので、ことばではない大事なところをうけとるでしょう。

    他の人がこのような題材を持っていることは、知っていた。
    そして、そろそろ自分の題材になってきていることを、実感して、
    途中で休憩しなければならなかった。
    絵本を選んだ理由は、絵がきれいだったこと。ただ、ちょっとすでに寂しさをにじましてたけど。
    絵本をよんでほっこりしようとしいたところに、切実なところをめくりあげられたようだった。
    しかし、最後までよむべきと思ったのは、この題材の新たな見方をしりたかったから。そして、知ることができると、感じて。
    これから、なんどもこの絵本をおもいだすと思う。思い出して、こころを温めて、そんな私になれるように、支えになる答えのような絵本。ありがとう。

    投稿日:2020/07/07

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    2
  • 思い出の風船

    思い出のつまった風船。年を重ねるごとに持っている風船がどんどん増えていく、若いときはそうなんですよね。
    老いとともに飛んでいってしまう風船も増えていき、1つの風船がひっかかって同じ話を繰り返したり。
    認知症になるということは、風船が飛んでいくペースがはやくなってしまうということなんですね。。
    悲しいことだけれど、その風船を誰かがかわりに持って受け継いでくれると考えたら、気持ちも違ってきますね。

    身近に認知症の方がいたら、とまどってしまうこともあるとおもうけれど、
    このお話を読んでいると、こういうことなんだと
    心の準備ができそうです。子どもにも大人にもおすすめです。

    投稿日:2020/08/04

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    1
  • 涙が出ました

    歳を重ねるごとに増えていく思い出の風船。特に、おじいちゃんの思い出話はどれもキラキラしていて、なんて素敵なお話なんだろう、歳を取るって案外悪くないなぁと、ほんわかした気持ちで読んでいました。
    でも、そんなおじいちゃんが風船を一つ一つ手放し始めた時、この本はもっと深い所まで描くのだと悟りハッとしました。
    あんなに輝いていた大切な思い出が、指からすり抜けていき、本人はそれにまるで気づいていない。
    周りの家族は、なす術もなくそれを眺める事しか出来ない。
    私自身はまだその思いを体験した事はありませんが、少年が抱える悲しみや、腹立たしさが痛いほど伝わってきました。
    でも、負の感情だけでは終わらないのが、この本の素晴らしいところ。
    読み終えた後には、やっぱり温かい気持ちで本を閉じる事が出来ます。
    いつか、その日がやってきたら。もう一度この本を開いてみたいです。

    投稿日:2020/08/04

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  • 思い出の風船

    人はだれでも、思い出の風船をたくさん持っているんですね。
    そして、少しずつ少しずつ、風船を飛ばしていく…。
    認知症という怖くて悲しい病気を、わかりやすく美しく表現してくれています。
    おじいちゃんの飛ばした風船が、ぼくのものになって増えていく。おじいちゃんの思い出の風船は、ぼくのもの…。なんて素敵なことでしょう!

    表紙のおじいちゃんの姿に、父を重ねながら、ページをめくり始めました。
    ぼーっと椅子に座って過ごす時間が増えてきた父ですが、その表情まで、おじいちゃんとそっくりで、ああ、父もきっと手にたくさんの風船を持ちながら、思い出の海をゆらゆらと漂っているのかなあと思いました。
    何度も同じことを繰り返したり、話がかみあわなかったり、記憶がすっぽり抜け落ちてしまったり…。そんな父の姿を見ると、辛かったり腹が立ったり。なかなか冷静に向き合うことができません。そしてそんな自分を責める日も度々…。けれど、こんな素敵な絵本に出会ったあとは、優しく向き合えると思います。そうなんだ。父が風船を飛ばしてしまっても、悲しまなくていいんだ。父の飛ばした風船は、私のものになって増えていくんだ!
    なんだか心に温かな風が吹き込み、久しぶりに明るく晴れやかになった気がします。
    父との時間を大切に、思い出の風船をひとつでも多く受け止めていきたいと思います。出会えてよかったです。ありがとうございました。

    投稿日:2020/08/04

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    1
  • 老いをうけとめるその日の前に。読んでおきたい絵本です

    • うつぼっちさん
    • 40代
    • ママ
    • 東京都
    • 女の子17歳、男の子14歳、男の子10歳

    思い出の数だけひとは風船をもっていて、おじいちゃんはぼくよりたくさんの風船をもっている。ぼくと同じ思い出の、同じ色の風船もある。たくさんの風船の話をたのしみにしていたのに、あるときからおじいちゃんは風船がとんでいっても気がつかない。同じ話を何度もして、いつのまにか風船がなくなっていても気がつかない。「おじいちゃんがこうなったらかなしいね」と、おじいちゃんっ子の息子は言う。「でもぼくがその風船を受けついでいけばいいんだね」。老いをうけとめるその日の前に。読んでおきたい絵本です。

    投稿日:2020/08/04

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  • 優しくて温かくて、切なくて寂しくて

    カラフルな風船たち。その中には大切な記憶が入っている。
    おじいちゃんは家族の誰より長く生きてきたから、誰よりもたくさんの風船を持っている。でも、その風船をおじいちゃんは気づかず手放していく。
    孫の姿に胸がギュッと締め付けられてしまいましたが、両親に大切なことを気付かせてもらって、気持ちに寄り添ってもらって、最後まで温かく物語が終わっていくので、読後感がとても良かったです。

    投稿日:2020/08/04

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