感想のタイトルが、歌の題名みたいになってしまいましたが、どうしても、こんな気持ちだったので・・
表紙の絵を見て、秋のお話かなあと手に取りました。実際は、「かそかな春の夜風」に包まれるお話なのですが、秋から冬への季節にも心温まります。
夜祭りに向かう大きい小さいとりまぜた7人の子供達の無邪気な心の高鳴りと不安が、新しい下駄と狐つき、夜祭りの賑わいと心細い帰り道の描写に見事に織り込まれています。
そのない交ぜの気持ちは、主人公である、ひとりっこでやせっぽちで甘えん坊の文六ちゃんに集約され、優しい母ちゃんが包み込んでくれるのです。
新美さんの語り口は、いつもとても温かく、ゆっくりと丁寧に声にのせていくと、自分が穏やかに穏やかになっていきます。