最近、紙芝居に大きな可能性を感じ、演じることも多くなっていた矢先に、この本に出会いました。表紙からして魅力的。自転車に載った紙芝居箱、引き出しには色とりどりの飴、朴訥そうなおじいさん。昔懐かしい場面です。(と言っても、私は紙芝居屋さんは未体験・・)。注目すべきは、少し前屈みの紙芝居枠の傾き。現在演じる時に使う舞台は机の上で直角に立たせているわけですが、自転車の荷台の箱を見上げて見ている子ども達のために、舞台が少しだけ傾いているのでしょう。紙芝居屋さんと子ども達のふれあいの時間の暖かさを感じます。
その大事な時間と場所は、近代化の波の中にのまれていきます。それでも、確かに残る思い出に人の心がまた集う喜び。
いわゆる読み聞かせに関わる大人の人に出会って欲しい絵本です。