昔、学校の教科書に載っていたことを思い出し、手に取りました。「読んであげるなら4歳から」と書いてありましたが、当時4歳だった娘の持っていたほかの本に比べて、絵の色合いも地味で、少し文章も多め。「意味がわかるかなぁ。」と思いつつ、一緒に読んでみることにしました。
そういえば、子どもの本って今までハッピーエンドのお話しかなかったんですよね。難しいところはわからなかったにしても、スーホに会いたくて、血だらけの体で走って逃げ帰ってきた白馬の気持ち、一生懸命看病した甲斐もなく翌朝、白馬が死んでしまう無念さは、娘にも十分過ぎるほど理解できたようで、ボロボロと泣き出し、嗚咽が止まらないほどでした。結末を知っていた私までもらい泣きし、しばらく先へ進めませんでした…。娘にとっては、初めて出会う、「悲しい結末の本」でした。
もう、2回目は読みたがらないのかと思いきや、たくさんの本の中から、「今日はこれ読みたい。」と言って持ってくることがしばしばありました。子どもにも大人と同じように、「今日は泣ける話が読みたい気分」というのがあるのかもしれないと思いました。
それから4年経ち、2年生の教科書で再び「スーホの白い馬」に出会いましたが、4歳の頃の感受性は残念ながらなく(表現しないだけで心では感じているのかもしれませんが)、あの時だったからあんなふうに心が揺れたんだなぁ、と、あの日の光景がとても貴重な思い出になりました。
それからは、「絵が子ども好みでないかも?」とか「難しいかも?」とかいう先入観なしで、絵本をよませてみたいと思うようになりました。