ナイフが、まがる、ねじれる、おれる、とける。
ありえないことの起こる絵本です。
「嘘!」といった母に、
平然と「だって、ふしぎなナイフなんだよ?」と表紙を指差した息子。
あなたの方が、大人かもしれない…
このナイフの絵は、絵とは思えないほどの緻密さです。
でも、どことなく温かみがあって、やはり写真ではなく、「絵」なんですねえ。
工業的な、物の美しさが充分に現れています。
作者の中村さんは、コピーライター。林健造さんはグラフィックデザイナー、福田隆義さんは、CMアニメーターからイラストレーターになられた方ですが、
妙に、納得してしまいました。
子供も、絵にまず、ひきつけられ、それから言葉を読んで楽しんでいたようです。
私自身、目が心地よい、と言っているようで、意味もなくめくってしまう、そんな絵本なのです。