この絵本の挿し絵がとても斬新で好きだ。
ひろしが、穴を掘っていく過程がよくわかる。
穴の中なので、正面と横向きで動きの少ない絵なのに、
何気ない顔の角度・顔の汗・腰をおろした姿勢から、
ひろしの気持ちが読み取れる。
特に、いも虫の動きが気に入っている。
端の方からどんどん掘り進んでくる動きは、
くねくねと細長く、ひろしの穴とはまったく違っている。
ひろしにはこのいも虫の動きは、見えていないという事が、
いっそう面白くしているように思う。
表紙は、ひろしが穴の中から見た絵。
裏表紙は、ひろしが、地上からのぞき込んだ穴の中の絵。
なんてすごい感覚なんだろう・・・と驚くばかり!