タイトルを見て、まずは大人である自分のために読みました。そして私には難民、という概念自体が全く頭の中に無く、実感のないものだということが分かりました。
戦争、は辛うじて何となく、想像できる。
ここは敗戦国であるし、身近に被爆者の話を聞いてきた最後の世代なので。
この絵本から、感じ取るのはただただ戦争という悪夢が、逃げても逃げても追いかけてくるということ。
立場に関係なく、すべての人の心をむしばんでいくということ。
それはいづれ子供が持つべき希望も損なわれていくということ。
この作品を、自分の子供に読ませるにはタイミングが大事だと思いました。早すぎるとただの悪夢としか映らず、嫌悪するものになりそう。小学校で、戦争について学ぶ時期が読むべき時なのかなと思います。
そして、私の素朴な疑問。
難民に目を向けることはとても大事だし、人道的だと思います。
でも先の大戦時、仮に戦災孤児である日本人の子供が他国に助けを求めたとして、誰が救いの手差し伸べたでしょう?
誰が核爆弾による放射能まみれの子供を受け入れたでしょう?
そうした現実を含めて、このような作品をどう読んだらいいのでしょう?