2004年のオーストラリアの作品。
オーストラリアの開拓時代を描いていて、「大草原の小さな家」を彷彿させるもの。
TPP交渉の情報から、オーストラリアの作付面積は、アメリカの比ではありませんでしたから、日本では想像出来ないスケールだと思います。
主人公のリジーは、父さん、母さん、赤ちゃんと4人暮らし。
周りに誰一人住んでいないとありますが、父さんが白檀を町に売りに行く仕事をしていて、町までの距離が80`とあるので、隣近所が途方もなく離れているのでしょう。
父さんが、町に仕事にいった後のリジー達の生活が中心に描かれていますが、リジーは空想ばかりしています。
一見、寂しい暮らしのはずなのですが、リジーは、空想することで楽しく暮らしているのです。
良く読むと、父さん、母さんも空想することが自然のようです。
リジーが空想するのは、両親との会話の中で育まれたもので、素晴らしい親子関係だと思わずにいられませんでした。
振り返って、周りに何もかもがあり、空想することから遠ざかってしまっている日本の子供達と、どちらが幸せなのか?考えさせられてしまう作品でした。
子どもよりも、大人の心に染み入る作品と言えるかも知れません。