街なかで車いすで行ききしている人を見かけると、大変だなと思います。
あの道は段差があるし、駅への階段は無理だし、エレベーターまでは遠いし。
でも、実はもっと大変なことがあります。
それが着替え。
この絵本の裏表紙の折り返しに、札幌在住のスタイリスト石切山祥子さんがこんな文章を載せています。
「世の中には洋服を着るだけでも大変な方がたくさんいます」と。
スタイリストだから気がついたことかもしれません。
車いすの方向けのウェディングドレスをデザインするといった、石切山さんの活動を絵本にしたのが、この一冊です。
釧路生まれの直木賞作家桜木紫乃さんが文を書いて、札幌生まれのイラストレーターそらさんが絵を描いています。
出版したのが北海道新聞社。
この絵本はオール北海道で生まれた作品です。
「サチコさん」はもちろん石切山祥子(さちこ)さんがモデルです。
車いすで生活しているなっちゃんが結婚するというので、ウェディングドレスをデザインすることになりました。
でも、あの裾が広がったドレスは車いすに車輪にからんでしまうかもしれません。
サチコさんはいっぱい考えました。
そして、ついに・・・。
「ドレスはいつだって あなたを おひめさまにしてくれる」
北海道から涼やかな風が届いたような絵本です。