ひとかかえもありそうな大きなすいかをスーパーなどで見かけると、
ついため息がでる。
子供の頃は、といってももう半世紀以上も前のことだが
家族も多かったし、スイカを丸ごと買ってもみんなで食べてしまえたものだ。
最近は家庭菜園で小ぶりの小玉すいかを栽培するのが人気だったり
スーパーではカットすいかが売り場を占領したりしているのも
時代の変化なんだと思う。
『すいかごろごろ』という絵本には、「はじめてのこよみえほん」というシリーズ名がついている。
文を書いたすとうあさえさんには「おいしい行事のえほん」シリーズなどもあって、
生活の場を大切にする人なんだろうと推測する。
すいかはどの「こよみ」に合うかといえば、やはり「大暑」だろう。
この絵本の巻末にすとうさんの短文が載っていて、
そこに「「大暑」は、すいか!」と書かれている。
暑い時期だからこそ、すいかのおいしさがひとしおになる。
ひとしおで思い出したが、
子供の頃はすいかには必ず塩をふりかけていたものだ。
そうすると、甘味がますと教えられたものだ。
そんなすいかの思い出を
すとうあさえさんの文とともに北村裕花さんのほのぼのとした絵が
醸し出してくれる。
すいかを食べている家族の
なんともいえない幸福そうな顔といったら。
そういえば、すいか割りも随分していない。