ある小さなうちに、おばあさんとねこが一緒に住んでいました。
おばあさんは、とてもおばあさんで98歳でした。
ねこは元気な男のねこで、毎日、釣りざおを持って、魚釣りに行きました。
ねこは、毎日、おばあちゃんも魚釣りに誘うのだけれど、おばあさんは、決まって「だって、私は98歳だのも。98歳のおばあさんが魚釣りをしたら似合わないよ。」と言って断りつづけていました。
でも、ひょんなことから、おばあさんは、「5歳」になるのです。(なったつもりになるのです)
そして、5歳なんだから、と、おばあさんは、ねこと一緒に魚釣りに出かけることにするんです。
おばあさんは、もう長いこと、遠くまで行ったことなんてなかった。
でも、野原はとても広くて、風が気持ちよくて、たくさんの花が咲いていて...5歳って、まるでちょうちょみたいだと思うんですね。
そして、ねこと同じように、川を飛び越え、ねこと同じように、長靴をぬいで川に入りました。そして、すっかり夢中になって魚をとるんですね。だって、5歳だから。
そして、帰り道に言うんです。「ねぇ、私、どうして、前から5歳にならなかったのかしら。」って。
読んだ後に、なんだか、ほほえましい気持ちになる、お話です。
以前、何かの番組で「年をとってから必要になるのは、みずみずしい感性だ。」っていう言葉がありました。その言葉を思い出した絵本でした。
元気なお年寄りって素敵だと思います。自分も、みずみずしい感性を持ちつづけていたいと思いました。
子供は、この本をどういうふうに感じているのかよくわからないけれど、ばばばあちゃんシリーズは大好きだし、元気なのは好きみたい。
「今日はこれにする。」と持ってくるところを見ると、けっこう気にいっているようです。