くいしんぼう、でもはなこさんって憎めない牛ですね。とってもわがままで、いばりんぼうで、人間だったら、絶対嫌われそうだけど、牛さんだからかな、かわいらしいなんて思っちゃう。
話の内容は、はなこさんのように欲張ったことをすると、後でばちがあたるよ。なんて戒めも含まれているのでしょう。でも、私は、はなこさんが、いつでも他の牛たちに「みんな、ちょっとおまち!」と鼻高々と言い放ったり、はなこさんのおなかがおいもやかぼちゃで2倍にも3倍にもふくれあがったりする、一つ一つのようすをおもしろおかしく見てしまいました。
石井さんの文がすばらしいなあと思ったのは、最後の問いかけです。「はなこが、もうけっしていばったり…食べ過ぎたりしないで、おとなしいこうしになったことは、みなさんにもおわかりでしょう。」おとなしいこうしになりました。ではないんですよね。このように問いかけることで、作者と読者が結ばれるような気がして、本当にあたたかみのある本だなあと、感心してしまいました。