私が小さい頃読んだ本です。図書館で見つけたので、懐かしくなって借りてみました。
牛のはなこは、子牛の中の女王様。よくばりでわがままし放題の挙句、食べ物を独り占めして、体が3倍にも膨らんで苦しみます。
最後は痛い目にあったはなこは改心するのですが、我が家の子ども達は、はなこを指さして、「はなこは悪い!」と熱くなっていました。
私も、はなこは大わがままだと思ってはいますが、目の周りの黒い牛に弱いので、子ども達のように今ひとつ真剣には怒れません。
良いところなど一つもないはなこなのですが、石井桃子さんと中谷千代子さんのコンビの作品なので、お話全体にどことなくのんびりとした、穏やかな空気が流れています。
「よくばりものは報いを受けるもの、思い知ったか、はなこ!」と言うより、「あらら〜、わがまま言ってるから痛い目にあっちゃって。でももう懲りたでしょ。はい、めでたし、めでたし」と言いたくなるような、のどかな感じがしてしまうのです。