村の鈴祭りで、一番大きな鈴を持って行列の先頭を歩きたいウルスリ。でも手渡されたのは小さな鈴でした。どうしても大きな鈴の欲しいウルスリは、山小屋にあった大きな鈴を取りに出かけます…。
今春、日本に帰国した際、「日曜美術館」でカリジェの特集をしていて知った作品。番組ではイラストレーターの永田萌さんが、カリジェの生誕地を訪ねていました。
絵本は大判で迫力たっぷり。絵はアルプスの一村そのままの透明感にあふれた画風で、素朴さと美しさを同時に伝えます。息子はスイス地方の鈴が気に入ってしまったようで、「ぼくも欲しいー」。実際テレビで紹介されていたお祭りの様子と、鈴のサイズにとても驚いていました。(サッカーボールぐらいの大きさです。)カラン、カラン、カランと、その大きさゆえ、ちょっぴり鈍い鈴の音が今も聞こえてくるよう……。
こういう絵本には、心が洗われます。素直な子供の心とアルプス地方の清らかな空気が一緒になった、温かな作品です。