おなじみ、どろんこハリーの続編です。
1ページごとの絵と文章のバランスがいいです。
絵を存分に見せつつ、文章の長さも適当で、聞き手だけでなく読み手も一緒に楽しめます。
おばあちゃんから贈られたセーターが、1本の糸になったのち再び同じ柄の鳥の巣になる
という展開には、「そんなわけない」と思いながらも、笑みがこぼれました。
(それを見たおばあちゃんが気を悪くしなかったのも「えらい」と思いました。笑)
ハリーの行動はいつもどこかはちゃめちゃだけど、子どもの持つ無邪気さと相通ずるものがあり、
…だから憎めないんですね。しょうがないなー、と言いながら苦笑いしてる感覚、かな?
お話の中でも、そんなハリーを家族はいつも温かく見守っている。その安心感
(ハリーは愛されている、という)こそが、この絵本の根幹なのかもしれない、とも思います。
登場人物に悪者がいないところも気に入っています。
最後、おばあちゃんが新たに贈ってくれたセーターを、ハリーが気に入ったというくだりで、
「え、そうなの?(どんなセーターだろう)」と興味がむくっと湧き、
『それもそのはず、』以降を読んで、思わず大笑いしてしまいまいした。なるほど!
どろんこハリー同様、読み終わったとき、とってもあったかい気持ちになれる本です。