全ページがトレーシングペーパーのような素材でできていて、表題の「霧の森」の雰囲気にぴったりです。影を見て、それは誰だろうと想像しながら進んでいくのですが、簡単にわかるとは言え、そこが影絵のおもしろさ、見えてない細かいところに、おお!という描写があります。それも含めて、登場するおとぎ話の面々が霧の向こうでどんな物語を繰り広げているのか、それぞれが創作するのも楽しいと思います。
ニック・シャラットさんの絵がかわいくて、さらに木坂涼さんの訳文のセンスもおもしろいです。
いろんな仕掛け絵本を見てきましたが、影絵というのは、2次元と3次元の融合という感じで、魅力的ですね。