最初はただ、オズワルドの生活を言葉遊びで表現する絵本なのかな…と思ったのですが、後半山場がありました。意地悪な威張りやのサルに、オズワルドが間接的に教えてあげるのです。威張り散らされ利用されるのはもう「いやだ」とオズワルドが一言言い切ったことで、他のサルたちも共感し一致団結。サルたちは威張りやの言うことを聞かなくなります。この行動により、威張りやのサルは集団生活の中でのルールを学ぶのでした。
それぞれページの冒頭文は言葉遊びのような誤りの言い換えで始まり、息子はこれにキャーキャー大喜び。たとえば、「威張りやがしりとりをするとき――おっと、まちがい、のみとりをするとき」とか「ほかのさるたちが大勢ふってきて――おっと、まちがい、やってきて」とか。次はどんな言い換えなのかな、と「おっと、まちがい」の後を待ち構えるように聞き入っていました。
初版が1947年のデンマークの絵本です。戦争直後ということで世界平和を祈りつつ、どこかの国を風刺して描いた作品なのかな…とも、ふと思えてしまいました。