2歳半の息子に図書館で借りました。
大人にとってはなんてことないストーリーなのですが、
やはり話の運びがうまいと思います。
子どもにとってちょっとしたことが、初めてで大きく心を捉えることだったり、
ドキドキ想像を膨らませることだったりします。
この本はそれをよく分かった上で描かれている、
読みながら、息子を見ていてそう思いました。
リュックを背負って、水筒を下げて。
「えんそく」という響きは、それだけで小さいこどもの心をくすぐるものです。
お昼にならないので、体操をしたり、マラソンをしたり。
これらは、大きな公園によくいく息子にとっても
「公園でよくしているよね」と親近感を持って読めた導入部分なようでした。
そして、ころんで、毛糸をたぐり寄せて丘を上り下り、
えんどうまめくらいの玉がぐりとぐらより大きくなっていって…
幼い息子にとって「ころぶ」ことは、痛くて大変な惨事なのでここで感情移入して気持ちを切り替え、
そして、毛糸の玉がどんどん大きくなっていくことに息子は興味津々です。
そんなところに、引きのイラストのページがあって…。さすが、うまい!
家の中はかわいいし、こどもたちの大好きなくまが出てくるし、
大きいくまと小さいぐりとぐらの対照的な感じも楽しいし、
おいしいお弁当も出てくるし。
大袈裟ではない、どちらかというとシンプルなストーリー&絵ですが、
子どもの心をとらえて離さず、いい一冊だと思いました。