作者である青山邦彦は、絵本作家としては異色の経歴の持ち主。
早稲田の理工学部建築学科、同大学院過程を終了後、建築設計事務所を経て絵本作家になっています。
その経歴に裏付けられた絵は、精緻と言う言葉がぴったり。
一見の価値のある絵だと思います。
お話は、つくりかけのマンションが、どうしてちゃんとしたたてものになれないのだとうと、悩んでいるシーンから始まります。
そこに登場した人が、「自分で部屋を作りたい人がここに住めます」という看板を掲示してから、様々な部屋作りが展開します。
でも、それぞれの部屋は良いのですが、共有部分が問題です。
そこで、最初に看板を立てた人が、みんなで一緒に作ろうと提案して、見事に家は一挙に完成に近づいていくのです。
子供の頃って、秘密基地に憧れるものですが、それを家に替えたようなストーリーなので、心が惹きつけられること間違いなしです。
夢を掻き立てられる絵本と言えると思います。
一寸残念なのは、絵本のサイズ。
B5位の大きさしかないので、大型の絵本でもっと絵そのものを楽しみたいと思いました。
親も楽しみながら読み聞かせることができる絵本としてオススメします。