影絵芝居の面白さを堪能できる絵本です。美しい切り絵と楽しいお話に、子どもも私もすぐに引き込まれました。
机の下にもぐりこんで、「だれかわたしのぼうしをみなかった?」と捜し物をするお母さんのそばで、おなかがぱんぱんにふくらんだ男の子が、「ママ、ママ、おなかがいたいよ。おいしゃさんよんで」と言っている場面からおはなしが始まります。 往診にきたお医者さんが、「こんな病気、みたことないぞ、一刻も早く入院だ!」と、男の子とお母さんを病院につれていくと、ボールのように大きくふくらんだ男の子のおなかから、出てくる、出てくる、リンゴ、ボール、ろうそくがついたハースデーケーキがまるのまま、スパゲッティもお皿ごと、ソーセージもずるずるつながったまま出てきます。前のぺージでシルエットが見えて、次のぺージで色つきの絵を見ることができる。まるで、手品をみているようです。ありもしないことが目の前で起こるナンセンスの面白さ。次は何がでてくるかなとワクワクドキドキ、目が離せません。男の子の家、お医者さんの家、外、病院と場面が変わるたびに背景に使う色が変えてあるというのもシャレていて素敵。
この絵本をヒントに、家で子供たちに影絵芝居をやってみようかなと思いました。幼稚園や学校でのおはなし会に使ってもよさそうです。