「おやすみなさい おつきさま」と同じ作者・マーガレット・ワイズ・ブラウンの絵本だとは知らずに、図書館から借りてきました。この絵本は娘が初めて参加した、図書館のお話会で読まれた絵本で、長い物語にも関わらず、繰り返しの文章が多用されているためか、娘が何度も読んでほしいとせがんだ絵本です。
この絵本を読んでいて、気付いたこと。こうさぎが「にんげんのこどもになって、おうちのなかににげちゃうよ」というページで、かあさんうさぎがこうさぎを抱っこしている挿絵の部分。どこかで見たことのある絵が飾ってあるではありませんか。そう、「おやすみなさい おつきさま」での「めうしがおつきさまをとびこすえ」なんですね。そこで初めてマーガレット・ワイズ・ブラウンさんの絵本だと気付いたのです。
この絵本の魅力は、なんと言ってもリズム感のいい文章と美しい挿絵です。
読み聞かせをする時は、必ず、こうさぎとかあさんうさぎのセリフを声色を変えて読んでいます。娘が、この長い文章を飽きずに聞いているのは、文章のテンポのよさかもしれません。
それに文章のページに描かれているモノクロの挿絵の次に、まるで水彩画のような美しい挿絵があります。ちゃんとクロッカスになったこうさぎが、花壇の中に隠れていたり、長い耳がヨットの帆になったこうさぎや翼がはえ小鳥になったこうさぎを見るのは、娘にとっては、この絵本の最大の魅力みたい。
この絵本の根底にあるのは、かあさんうさぎの愛情です。それもこうさぎが逃げ回るのを遠くから見守っている愛です。これは、1児の母として考えさせられます。私は、かあさんうさぎのように、どっしりと待って、娘を見守っていられるだろうか。最後にこうさぎとかあさんうさぎが、一緒に木の下の家で、にんじんを食べているシーンを身ながらそう思うのでした。