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ピアノは夢をみる」 みんなの声

ピアノは夢をみる 作:工藤 直子
絵:あべ 弘士
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
税込価格:\1,320
発行日:2009年06月
ISBN:9784032323207
評価スコア 4.55
評価ランキング 6,770
みんなの声 総数 10
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  • そうだ ピアノは森生まれなんだった

     「ゆめ」をテーマとした作品を探していて出会いました。
     工藤直子先生の詩とあべ弘士先生の絵というコラボレーションもまた面白いなと思いました。

     もう百歳になるという工藤先生のお宅のピアノ。
     ドイツのノイマン社製の箱型のピアノ。
     現代のアップライトスタイルのものより、ひとまわり大きく、鍵盤の前には蝋燭を灯す燭台がついているピアノ。
     このピアノをモデルとした素敵な作品です。
     
     連作詩集になっていますが、私は「森のにおい」が好きです。
     カーテンを潜り抜け遊びに来た風がピアノにかけた言葉。
     「あんたは ごつごつしているけれど やさしい森のにおいがするね」
     ここで、そうだピアノは森生まれなんだったって気付かされます。
     ピアノは嬉しくて夢をみます。
     大きな森にいた頃の夢の表現が、ピアノと一緒に森に連れて行かれるようです。
     
     このあと、ピアノと関わった少年・綿雲・少女・海・ちいさな指の持ち主etc,の詩が続きます。
     こんな風にピアノはきっと夢をみてきたに違いないと、とても温かく豊かな気持ちになりました。

     えてして無機質なものとして捉えてしまう物へまで、心を寄せる工藤先生の感性が素敵だなと思いました。

     あべ先生の力強くまた繊細な絵がこの作品とマッチしていたと思います。

     さて、我が家のピアノくんはどんな夢をみているのやら、・・・。

    投稿日:2012/07/05

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  • ノイマンじいさん

    工藤先生のお宅にある、ドイツノイマン社製のピアノをモデルに作られた詩です。
    もう、100歳にもなるそのピアノを、ノイマンじいさんと呼び、大切にされてきた工藤先生。
    どこか幻想的な詩に添えられている、あべ弘士さんの絵がまた素敵です。
    子供には少し難しいかもしれませんが、音楽やピアノが好きな大人にはしみ入る物語だと思います。

    投稿日:2021/04/17

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  • 素敵な詩と歴史のあるドイツ製のピアノ

    ピアノをテーマにした絵本を検索している時に出会いました。
    ピアノが好き、音楽が好きという方なら、ここに描かれている世界に共感できるのではないかと思います。

    ここで登場するドイツ製のピアノはかなり年代物です。作者の工藤さんのお祖父さまが所有されていたものだそうです。
    そのピアノに対する思いが詩となって・・・幻想的です。

    ピアノが擬人化されていて、ピアノになる前の木だったころの話が素敵です。

    投稿日:2017/09/25

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  • ピアノ

    この絵本を読んでただピアノにすまない気持ちになりました。娘二人がと嫁いでしまったので、要らなくなったピアノを売ってしまった私なので、ちょっとピアノが可愛そうな気持ちになりました。でも弾かなくなったピアノなので、必要としている人に弾いてもらっていると思っています。森育ちのピアノが夢をみるのがとても素敵でした。ピアノのように誰にでも物語があってと考えるだけでもちょっと不思議ですが、幸せな気持ちになれました。いくつかの「詩」だからか、妄想の世界に入って自分勝手に幸せになってました。

    投稿日:2017/04/08

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  • ピアノの考え

    このお話は自分を作った気が育った森の事を思っているピアノのお話でした。森の事を考えながら、子供にピアノを弾いてもらったりしているのがなんか切なかったです。子供にはよくわからなかったみたいなのですが大人は読んで感動しました。

    投稿日:2014/01/31

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  • ノイマンじいさんの昔語り

    • レイラさん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子18歳、男の子16歳、

    詩人の工藤直子さん宅にやってきた、アンティークなピアノ。
    ノイマンじいさんと名づけたそのピアノに耳を澄まし、昔語りを書き取った詩に、
    あべ弘士さんが絵を添えています。
    木製ゆえ、ピアノになる前の木の記憶、そして、やがて自然に帰っていく未来。
    ピアノになってからの、弾き手との思い出。
    そう、ピアノにも感性があるのですね。
    少しシュールな、幻想的な世界。
    そっと感性を研ぎ澄ませて、感じ取ってほしいです。

    投稿日:2012/08/13

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  • すべてのものにある物語

    娘はピアノを習っています。練習する時もいつも楽しそうです。
    そうして私は詩が大好きなので、ふたりで読むのに楽しいかも?と
    思って図書館で借りてみました。
    私は素敵だなあと思ったのですが、娘にはまだちょっとはやかったかな?
    お歌は好きでも詩はまだ心に響きにくいようです。
    ごつごつしているけれど、やさしい森のにおいがするピアノ。
    そうですよね、モノにはなんだって物語があるんですよね。
    それがなにかの拍子にふうっと立ち上ってくる。
    その瞬間に居合わせたり、語られる物語を聴くのは、うれしいことです。
    物語の共有。
    私もピアノといっしょに夢をみさせてもらいました。

    投稿日:2011/11/20

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  • 心に静かに語りかけてくれる

    • おしんさん
    • 40代
    • ママ
    • 鹿児島県
    • 男の子23歳、女の子21歳、男の子18歳

    作者が『ノイマンじいさん』と名づけた、ドイツ製の古いピアノと出会い、その古いピアノがきかせてくれた昔話を詩にしたもの。そして、あべ弘士さんの絵が添えられています。
    ゴツゴツしたピアノに、風が語りかけ、うれしくて夢をみる。
     やわらかい土 あふれるいずみ
     りすが かけのぼる おおきな木
     ことりがとまる ちいさなえだ
     ひるがえるはっぱの ひかりとかげ
    むかし うたごえいっぱいの
    大きな森にいたころの夢をみた

    感性あふれる詩は、その情景がまるでこの場で起こっているように目の前に浮かびます。そして、動物大好きのあべさんの描く風景や人物は、また独特の世界を作ってくれています。動物の表情に心が癒され、穏やかな気持ちで、ピアノが語る思い出話に耳を傾けることができます。
    長い時間をかけて、多くの人に出会ったことは、何物にも変え難い宝物だと思いました。

    投稿日:2010/08/29

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  • 「ごつごつ」したピアノの見る夢は……

    • はしのさん
    • 40代
    • パパ
    • 神奈川県
    • 男の子14歳、女の子12歳

    こころをもったピアノが語ってくれた、ピアノが見た夢のお話です。
    見開き2ページの工藤直子さんの優しくかつ逞しい詩に導かれるように、やはり見開き2ページに繊細かつ骨太のあべ弘士さんの絵が描かれています。

    夢みるピアノは「ごつごつ」しています。「ごつごつ」していると、堅物で頑固な感じがしますが、そうじゃないんですね。そのことを風が教えてくれます「あんたは ごつごつしているとけれど やさしい森のにおいがするね」と。
    ピアノは、お祭りの夢や、音符が人々にふりそそぐ夢や、花かごになる夢など、弾き手の奏でる曲によって、いろいろな夢を見るようになります。

    あたなのピアノは、夢を見ますか。
    ピアノを弾くのが大好きな人はもちろん、ちょっと苦手だな、練習するのはきらいだなという人も、もう一度、ピアノを弾いてみてください。そんな難しく考えなくて良いのです。一音でも構いません。思いをこめて弾いてみてください。
    どんな音がしましたか。その音があなたのピアノに夢を見させるのです。どうか、あなたの心のままに弾いてあげてください。ピアノはきっと喜んでくれるでしょう。

    ピアノが好きな人はもちろん、ピアノとどうつきあえば良いのかわからなくなってそまった人にも、読んでもらいた一冊です。

    投稿日:2010/04/01

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  • 昔に読んだSF小説を思い出しました。

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子14歳、女の子9歳

    子どもが学校の用意をしている横で、この詩集絵本を音読していたら、「うるさいよ」と、言われてしまいました。
    でも、いい詩がいっぱいのってたら、何かしながらでいいから聞いてほしかったのに…。
    学校で、何かいらいらしていたのかな…?タイミングが悪かったのかもしれません。
    最近、下の子は自分の機嫌の悪い時に何か音読すると怒ります。反抗期でしょうか?

    と、子どもの耳にはちゃんと届かなかったようですが、素敵な詩の絵本でした。
    私は正直、工藤さんの絵本は「のはらうた」しか読んでいないので、
    そのシリーズとだけ比べるのも、おこがましいことですが、
    「のはらうた」は詩によってはとても子どもっぽい口調のものがあって、いいものはいいけど、ちょっととっつきにくいなぁ〜、
    という作品もいくつかありました。
    しかし、「ピアノは…」は、優しい調べのように淡々と、愛くるしく胸にストント落ちてくるような詩が印象的でした。
    あべさんのイラストも、また素敵!です。
    子どもがもう少し大きくなったら、機嫌のいい時にさりげなく机の上に置いてみます。

    すごく昔に読んだSFで、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」って小説を読んだんですが、この本を読んだら急に思い出してしまいました。

    投稿日:2009/09/13

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