この本で、いろんな愛情の形を見ることが出来ました。
なんだか古き良き日本の親子だったり、ご近所のおじさん、おばさんの愛を思い浮かべました。そして自分に欠けている部分を見習いたいなぁと思わせてくれました。
カラスやヤマバト等の大人(鳥)達がこすずめにおもねないところがいい!と私は感じました。普通なら疲れている幼いこすずめに対し、「いいよ、入って休みなさい」と言ってしまいがちです。でも(時と場合によってでしょうが)子供の為と思って厳しくしたり、つき離すことも必要な時があるのかもしれません。他人の子であっても、わが子と同じような態度で。
また、こすずめのおかあさんの子供への接し方もステキです。
子供の冒険を途中で手助けや口を出すことなく、そっと影で見守りつづけること。そして子供の失敗を責めることなく最終的には温かく包み込んで安心させてあげること。
それから石井桃子さんの訳の文章がとてもきれいです。小さなこすずめの丁寧な言葉遣いがとっても可愛らしいですよ。