小さなサイズ(13.5×19.5センチ)。小学校高学年以上、大人向きのクリスマス絵本。サンタクロースが配り残してしまった一つのお人形を誰に配るべきか思案するお話。クリスマスにお人形をもらわなかった女の子は6人、男の子は234万8167人。この数字、サンタクロースはコンピュータで検索して調べました。というわけで、とても現代的なクリスマスのお話です。
いるいるこういう子どもたち……と思わず感じてしまうような、いろんな現代っ子、恵まれた子どもたちが描かれています。
後半登場するミスター・ラブの一言「みな、軽率に人に物を贈り過ぎますよ」が印象的。欧米の(行き過ぎた)商業主義的クリスマスのあり方を知っている人には、思い当たるものがあるでしょう。5年くらい前の米国某雑誌の調査で米国人が(一人か、一家族?忘れてしまったのですが)この時期、クリスマス・ギフトに費やす金額は平均9〜10万円ということでした。
ドイツの作品ですが、現代米国にも十分通じるものがありました。クリスマスの贈り物の意味について考えさせられます。ソーヴァのイラストに引かれて手にした絵本でしたが、作者の意図は十分伝わってきました。