ダールさん独特の残酷で愉快な短めの読み物です。
巻末にもありますが、“わがロウソクは両端から燃える 朝まで保つまい それゆえ敵に味方に照り映える 愉しき光の舞い”という言葉に彼のユーモアのセンスと信条が伺い知れます。
さて、お話はアフリカで一番大きな、一番こげ茶色の、一番どろんこの川に浮かんでいたどでかいワニが、川を出て、ジャングルを抜け、町へお昼ご飯にする人間のこどもを探しに行くお話です。
荒々しい言葉使いに、どう猛さと非情さが伝わってくるはずが、ワニの間の抜けた失態の連続に、読みながらこどもたちも安心できるでしょう。
隠密作戦ににたっと笑うところから、どんなことになるのやらと、別な意味で期待してしまいます。
妙策第一号・二号・・・と畳みかけるように、人間のこども捕獲に取り組むも、ことごとく失敗の果てに、ワニは、・・・。
ちょっと乱暴な言葉遣いもありますので、善し悪しを認識している4年生くらいからお勧めでしょうか。
ブレイクさんの絵もふんだんで、楽しめました。