表紙の男の子が考えます。
「あれはなんだったのか。」
ある日戦争が始まり、理由もわからないうちに戦争に出発し、
様々な経験をし、帰宅します。
おそらく、戦争ごっこの好きな男の子だったのでしょう。
最後までお供するぬいぐるみが、人間的な男の子を象徴するようで印象的です。
おそらく、ゲームのような感覚の戦争だったのではないかと思います。
でも、直面したのは、ゲームには描かれない、戦争の負の側面。
理由もわからずに暴走するのが戦争ということが、
淡々とした展開から感じ取ることができます。
戦争という究極の中にあっても、ぬいぐるみに象徴される人間性を持ち続けた男の子だからこそ、
「あれはなんだったのか。」という言葉だったのではないでしょうか。
戦争とは何か、そっと語ってくれる作品だと思います。