小さいころ、岡田淳さんのファンタジーの本が好きでした。
面白いしワクワクするもの。
岡田さんの、
この「王子さまの耳はロバの耳」もとてもエキサイティングなお話でした。
どこかキュートなイラストに
ステキな結末もあって、読後感もさわやかです。
ユニークに人の心を描くお話だと思いました。
つい口にだしてしまうお妃さまたち、
しくじった魔女、怒る王さま、悲しむ王子さまにも
どの人物にも少しずつ共感してしまうところがあって、面白い。
めげずに見合いを続け、馬鹿にされ続ける、
優しい王子さまはとてもかわいそうです。
正直で強い心の娘さんの登場に、心底嬉しくなりました。
この物語は有名だし、とても教訓的です。
昔から、このお話を通して
人の秘密を隠すことの困難さ、
正直であることの意義などを考えた人は多いのでは。
そこへユーモラスな語りや心情が描かれていて
面白く、より心に響くものになっています。
新しい物語のようで、
もともとのお話の持つ、訴えるものがあります。
考えるところの多い、幸せな絵本、
ぜひ親子で読みたいです。