2005年の作品。
本書は、メキシコ出版産業会議所の「編集芸術賞(el Premio al Arte Editorial)」を受賞しています。
やはり最初に目を惹くのは、マンダナ・サダトの鮮やかな絵。
ボローニャ国際絵本原画展にて入賞したのが頷けるものです。
お話は、一人留守番をする女の子が、曇った窓に絵を書いているシーンから始まります。
月を描いたら、その中に見えたのが、家に向かってくるおかあさんなのです。
待ち遠しくてたまらない女の子の心情が、まるで詩のように綴られていきます。
どこか幻想的な作品です。
その絵の美しさと心暖まる文章が相まって、心に染み入る作品に仕上がっています。
大人の絵本と言った方が相応しいかも知れない作品です。