驚きました。
この絵本には、文章がない。
おまけに、表紙にも題名がなく、
なんて、斬新な絵本でしょう!
ライオンの昼寝の邪魔をしてしまったねずみ。
しかし、ライオンは逃がしてやります。
ねずみは、逃がしてもらった恩を忘れず、
密猟者に捕まったライオンを、
ねずみが助けるというあの有名なイソップ物語です。
書かれている文字は、動物の鳴き声や擬音のみ。
絵のみでおはなしが進みます。
その絵の画力が素晴らしい。
あたたかみがあるというか、動物に対しての優しさが感じられます。
野生動物のありのままの姿が描かれていて、
生命力を感じます。
あくびをしているライオンの足元でも、
アリやカエル、そしてねずみといった小さな生き物も、
生きているんです。
ライオンに捕まったねずみ、
そして、密猟者の罠にかかってしまったライオン、
どきどきしました。
このおはなしが温かく感じるのは、家族が描かれているから。
ライオンの家族、そしてねずみの家族。
最後の見返しの絵には、ライオンの家族とねずみの家族が
仲良く描かれています。
本来はありえない画なのでしょうが、とてもほほえましい。
まさに、読み手の想像力を掻き立ててくれます。
娘の反応は?というと、やはり、難しかったようです。
ストーリーを知らないと難しいかな?
もう一冊、別の作家さんの絵本も借りていたので、
そちらを読んで、ようやく理解出来たって感じ。
とはいえ、文章がない分、おかあさんの生の言葉で、
子どもに伝えるイソップ物語というのも素敵だと思います。