ポーランド生まれの作家さんです。
この作品は7カ国語で、発行され世界的に成功を収めた作品だそうです。
貧しい男ワルターのささやかな願い、それは人並みにリンゴの木にリンゴの実が、たった一つでいいから成って欲しいというもの。
心を込めて祈ったら、確かに一つ花が咲き実が成りました。
嬉しさのあまり、日増しに大きくなるリンゴを採るタイミングを逸してしまい、果ては売り物にもならず・・・。
まさしくおばけリンゴでした!
市場に集まった人々に、不気味な大きさのリンゴを罵られ、「自分で食べろ」と言われ、答えるワルターの意外な一言に笑いました。
さて、このリンゴは如何にと思ったら、見事生かされた使われ方をしましたが、ワルターの懐が暖かくなるわけでもなし、お姫さまの登場で結婚があるでもなし。
ただただ王様に奪い取られる展開は、お国柄故かなと思いました。
それにしても、見開き片側いっぱいの大きさのリンゴをだいの大人が数人で運ぶ姿が滑稽です。
ワルターのほおが、ばら色になったり土色になったり、果ては心も灰色にという、人生の浮沈模様の縮図のようなお話が何かを示唆しているように思えるのは深読みでしょうか?
ラストのワルターのお祈りに、笑ってしまう方が多いのではないでしょうか。