この絵本を手に取って最初の感想は「何だ?この不気味なタイトルは?そして何だ?この真っ黒な表紙は・・?」とにかく、子ども向けの絵本らしからぬ装丁に、ドキドキしつつもページを開くと・・
「死ぬ日が分かり、その日を決めるのもわたくしシニガミでございます」と何とも不気味な語り口調でお話が始まります。
腹ぺこオオカミの前に病気のコブタ、普通なら食べてしまうところですが、優しいオオカミにはそれが出来ません。自分のベッドをコブタに譲り、スープを作ってやり、楽しませようと歌ったり踊ったり、花を摘んできてやったりします。
最後には命懸けでどんな病気でも治るという草を取りに、崖下へ落ちていくオオカミ・・・
それを傍でずっと静観しているシニガミ。てっきりオオカミもコブタも予言通りに死んでしまったと思ったら・・・!
本来なら食べてしまって当然のコブタを助けようとするオオカミなんてありえない。でも、そのありえない二匹だからこそ、シニガミさんの奇跡が起こったのかな。
二度目に読んだ時には、不安でハラハラしながら読んだ一度目とは、まるで違って温かい気持ちで読み進めることが出来ました。ドキドキ、でもホッとできる不思議な1冊です。