ページいっぱいにモノトーンの濃淡で描かれた幻想的な世界が広がり、ところどころ置かれた赤や黄色の鮮やかさが目を引きます。
この色使いが作品を強く印象づけています。
お父さんに忘れ物のケーキを届けるために森に入っていったキッコちゃんは、森の中で動物達のお茶会に遭遇します。
動物達は突然現れたキッコちゃんに優しく接してくれて…
どこか寒々とした雰囲気を漂わせていたモノクロの風景が、動物達との交流の中で不思議と暖かみを帯びて感じられるように感じられました。
そしておばあさんに渡すケーキを転んで台無しにしてしまったキッコちゃんのために、動物達が一切れずつ差し出してくれたケーキの色鮮やかさに心が浮き立ちます。
現実と夢の世界が混じり合う、とても不思議で素敵なひとときを与えてくれる絵本です。