絵本を読むと賢くなるかどうかわかりませんが、知識が増えることはあるでしょう。
それよりも物語にわくわくする気持ち、うれしかったり、怒ってみたり、泣いたりすること、そういうことを絵本は教えてくれます。
でも、やっぱり一番は絵本を読んで楽しくなることではないでしょうか。
その点、この絵本は読んで楽しくなること間違いありません。
何しろ文を書いたのはあの有名なジャズ・ピアニストの山下洋輔さんですから、文章にテンポがあります。
いたずら好きの鬼の子ドンと人間の子どものこうちゃんは、いたずらが高じて家から追い出されてしまいます。
そんな二人が出会って起こる、大騒動。
ついにはお父さんもお母さんも、鬼の両親も現れて騒動は大きくなるばかり。
ページいっぱいに「ドカシャバ ドカシャバ ドカドカドカ!」みたいに音が溢れだします。
絵を描いたのは、ナンセンス絵本の巨匠長新太さん。
山下さんの文に負けないぐらい、明るい色の大爆発。
読んでいると自然と身体が動き出して、足をドンドン、両手でパンパン、気分は最高潮!
そして、ついに、
「ドオン!」
と、弾けます。
この音はみんながそれぞれ出してした音が一つに合った時のもの。
つまりは、仲良しのしるし。
この絵本を読んで、子どもたちの笑顔がそれこそ「ドオン!」となれば、いうことありません。