昔、ブラックユーモアのアニメーションで、飼い主と犬が入れ替わってしまうというお話を見たことがあり、背筋がぞっとするような怖さがあったので、ジローと「ぼく」が入れ替わった時に、何かジローは企んでいるのでは?と邪推してしまいました。
「ぼく」と一緒に犬小屋にいる時のジローの瞳が妖しい光を放っているので、「ぼく」はもう一生犬のままかもしれないとまで心配しましたが、杞憂に終わり、ほっとしました。
きっとジローは「ぼく」になって、おとうさんとプロレスしたり、宿題をやったりしてみたかったのでしょうね。「ぼく」になったジローが本当に楽しそうで、「ぼく」の生活を満喫している様子が窺えます。
同時に、「ぼく」も思いがけず犬の生活を楽しんだようです。
相手の世界をお互いにちょっと垣間見てみるという小冒険のお話になっていて、ジローと「ぼく」の仲の良さが伝わってくる楽しい絵本です。