ワシテの楽しそうな顔……。そうなんだな、何でも楽しんでいないと秘められた力って出てこないものなんですよね。つまり、先生の仕事とは「楽しみ」を教えてあげること。特に芸術分野は絶対この「楽しみ」が伴なわないと本物にはなりません。
こういうテーマとか、教師って米国にはたくさんある(いる)からか、子どもたちにとっては当たり前のことが描かれているという印象だったよう。わたしはさまざまな「点」が飾られた展覧会の場面と、ワシテの絵に感動した男の子が鉛筆を震わせながら一生懸命絵を描いている場面が好きでした。
作品の完成度としては、終わり方がちょっと中途半端かも。サインのところで終わらずに、(文章なしで)男の子の絵が額入りで壁に飾ってあるところで終わると余韻が残るのではと感じましたが、余計なことかな。ワシテが先生から得たことはこうやってつながっていくという、人と人とのつながりが無言のうちに示されると思うのです。