本の厚さ、文章量、絵の配置、そして勿論お話の楽しさ、すべてにおいてとても良かった、読みやすい本でした。
まず最初に、ひげが逃げ出すという発端からしてワクワクしますし、逃げていくひげがどこにいるのか探すのも楽しいです。
最後にひげと女の子と意気投合してしまうのも、無理がなくて面白いですね。
よく絵本にありがちな、女の子がとのさまにお説教めいたことを言ったりする場面もありませんし、とのさまも変に反省したり悟ったりもしていません。
これは、本当に重要ポイントです。
だって、子どもの本って、つい教訓を入れたくなってしまうものらしく、そういうものが本当に多いんですもの。
「好きだから、これ、ちょうだい」、「お似合いだからあげよう」というこの単純な気持ちがいいんです。
最後まで楽しさに徹した作者が、一番あっぱれ!です。