次男がお腹にいた頃、助産師からの「赤ちゃんを名前で呼んであげて」という一言に衝撃を受けた。それまで、お腹にいた赤ちゃんを可愛がっていたし、心の中で何度も何度も元気に育ってほしいと願い、へその緒を通じて思いを伝えていた。順調には育っていたけれど、逆子になっていることがわかり、不安も感じていた時期だった。
その頃、よく長男に読み聞かせていた「あおくんときいろちゃん」のきいろちゃんのイメージがピンと来た。ちょうど、長男の名前は青く広い海にちなんだものだ。その日から長男はあおくんになり、赤ちゃんはきいろちゃんと呼ばれることになった。きいろちゃんと呼ぶようになってから、ますますきいろちゃんへの愛おしさは強くなり、陽だまりのようなあたたかなイメージが常にお腹にあった。不思議なことに、次の検診のときには逆子ではなくなっていた。そういえば、名前をつけた翌日、お腹の中で地殻変動が起きたのかと思うくらい大きな大きなうねりを伴う胎動があったことを思い出した。きっとのこときに、戻ってくれたのだろう。
きいろちゃんは無事に生まれ、光り輝くきいろを表現する名前をもらった。我が家のあおくんときいろちゃん、いつまでも仲良く、そしてときにはみどりいろになって助け合い、生きていってほしいと願っている。