「1冊で2度おいしい」手に取ってみると、この意味がわかります。図書館で何気なく借りてきたのですが、読んでみて思わず「これ、すごい!」とつぶやいてしまいました。うちの子どもに見せたところ、まんまと仕掛けにはまり、顔中笑い顔になりました。
韓国で長く語り伝えられてきた昔話で、とてもわかりやすいおはなしです。親孝行の若者が山へたきぎを取りに行きます。日が暮れたので、山小屋に泊まるのですが、そこはトッケビたち(オニ?)のすみか。トッケビたちのもっているこんぼうは、トントンとゆかをたたくと欲しい物がなんでもでてくる不思議なこんぼう。そのこんぼうを若者は手に入れることが出来、両親と末永く幸せに暮らしましたとさ・・・。
・・・とくれば、次には欲張りの若者が出てくるのが昔話ですよね。この本の仕掛けはここにあるのです。
実は、この続きは本をぐるっとひっくり返して、裏表紙からめくると、続きが書かれているのです。つまり、最初の話は表表紙から、続きの話は裏表紙から読むことが出来るのです。(ちょうど真ん中の絵は必見!!)
「ねぇ、この続き、聞きたい?」「うん」「それでは・・・(本をぐるっとひっくり返す)」「うわぁ〜!!」
こんな反応が待ってます。サプライズ本ですよ。集団読み聞かせでも、いい反応が期待できると思います。適度な繰り返し、表情豊かなトッケビたち、欲張り若者の間抜けなオチなど、物語だけをとっても秀逸です。